Ukraine Kids Med Care Project のご紹介
2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻が始まった当初、私たちにもできることはないかと思案していた際に、ロータリー及びROTEXのご縁により、ポーランドのヴロツワフRCのヘンリック・カリノフスキー(HENRYK KALINOWSKI)さんと結びつくことができました。
ヘンリックさんは、2002-2003に大阪に派遣された元交換学生で、現在はヴロツワフRCに所属されており、青少年交換プログラムの日本担当者として、ポーランドと日本の交換学生をサポートしています。
2022年4月上旬、ヘンリックさんを例会へお招きし、ヴロツワフロータリークラブが主導して実施するウクライナから避難してきた子供たちへの医療支援プロジェクト『Ukraine Kids Med Care Project』について卓話をいただきました。
そして、卓話をいただいてからすぐにクラブで支援活動を行うことを決定しました。
まず、スポンサークラブである東京北ロータリークラブやＲＩＪＹＥＭ、全国の皆様から活動への賛同を得て、約1か月後の5月上旬に、200万円を超える支援金を送りました。ご協力いただきました皆様に感謝申し上げます
世界のどこかで困っている誰かへの支援ではなく、関係があるヘンリックさんのもとに支援金を送ることで、より具体的に自分自身が支援に関与できること、そして、その繋がりを生み出した青少年交換プログラムやロータリーのネットワークの偉大さを実感しました。ROTEXとして世界中に繋がりを持つ私たちの特色を活かし、始めることができた活動であると思います。
避難民や孤児の子供たちは、クリスマスもお正月も施設から出られず、静かに過ごしており、避難してきた当初は笑顔も見られませんでした。どうにか彼らに、また幸せで平和な時間を過ごしてもらいたいと願い、支援金を送るだけでなく、この現状を知った前橋市の中学生たちからの励ましの手紙や、広島で平和学習を行ったポーランドの中学生たちからの平和の祈りを込めた折り鶴などを、子供たちに贈呈するセレモニーを2022年10月に開催いたしました。
2022年12月には、ヘンリックさんがこのプロジェクトで支援する子供たちが折った鶴と手紙の返事を携えて来日され、前橋市の中学校を訪問いたしました。この時、戦争の悲惨さ、そして日本が平和であることがいかに恵まれているかを伝えることができました。
2023年5月には、大阪ロータリークラブからの援助を得て、ヴロツワフロータリークラブの皆様が子供たちを連れてワルシャワ旅行、在ポーランド日本大使館の訪問を行いました。このときの子供たちの様子は、支援を始めた当初より笑顔が増えており、とても幸せそうな姿で、本当に何にも耐え難いものでした。
また、このプロジェクトとヘンリックさんを通じて、当時17歳の非常に興味深い高校生と出会いました。彼女は、この戦争が始まった直後、何か自分にできないかと思い立ち、友人を介してヘンリックさんを知り、自らポーランドへ出向き、約1か月間、ポーランドの避難所でボランティア活動を行っておりました。
ロータリークラブの存在も知らなかった彼女ですが、帰国後、大阪ロータリークラブのスポンサーを得て青少年交換プログラムに参加することになりました。
私たち東京北Exchangeロータリー衛星クラブの会員とも縁があり、2023年6月に新潟市で開催された全国青少年交換研究会の基調講演にて、ポーランドでの活動の経験を紹介しました。彼女は2023年8月から、ポーランドへ1年間派遣されます。
更に、2023−2024年度、私たちは、ウクライナのリヴィウから1名の学生を長期青少年交換プログラムにて受入れをすることとなりました。
今年度の国際ロータリーのテーマは ” Create HOPE in the World 世界に希望を生み出そう” です。
ROTEX同士が繋がり、また新たな青少年交換学生を生み出し、送り出し、そして受け入れる、というのは、まさにROTEXが繋ぐ平和と希望の輪であると思います。
青少年交換留学は、多感な時期に自国を離れ、さまざまな文化の友人と触れ合う貴重な体験です。より多くの若い世代に、この他の文化を知り、受け入れ合うという国際交流を通じて、平和を築くことができると実感していただきたいです。
私たちは青少年交換留学を経験したことにより、今もなお、多くのことを学んでいます。そしてROTEXであることに誇りをもっています。地道に小さく続けている行動ではありますが、このような活動が世界に平和をもたらしているものであると信じています。その他多くのロータリアンや親御さんと共に、今後も若い世代の夢や平和を実現する力を、あらゆる面でサポートをしていきたいと思います。